傷つきやすい「ガラスのハート」の原因は?

ー 巧妙に隠されていた「被害者意識」。そしてその解消法

ここはカウンセリングルーム。

「私はガラスのハートで、人間関係にとても悩んでます。みんなが敵に見えて、話しかけられない。怖い。コミュニケーションが苦手なんです。不機嫌な態度をされたり、怒られたりする。暴言も言われる。もう最近は頭がちゃんと働かない。」

glass-heart

開始してはじめの30分。
私は頭のネジがはずれて、とりとめもなく、まとまりもないことをカウンセラーの先生にダーッと話してしまった。

そのあと、
悲しさと悔しさの織り混ざったワケのわかんないものが押し寄せて、泣けてきた。

「つらいですよね。これ、使ってください」
カウンセラーの先生がティッシュをくれて、涙をふく。

でも、言えてスッキリした、これが私の本心だった。

「そういった人間関係の悩みはいつ頃から抱えていますか?」

「今にはじまったことではないです。もう小学生のころから」

「そうですか。小さい頃、家のなかでも似たようなことはあった?」

目を閉じて考えてみる
似たようなことか…

そうだ、家のなかでも
そうだった。

弟が生まれた日が
目に浮かぶ。

お母さんの腕に抱っこされているのは、弟。

「今日から『お兄ちゃんらしく』しっかりしないとね」

お母さんがそういった時
「えっ!?」
と思った。

もう抱っこしてもらえないの!?
もう甘えちゃいけないの!?
もう助けてもらえないの!?
もう手をつないで寝てもらえないの!?
もう一人でがんばらないといけないの!?

ガーン…。

それから、私は「お兄ちゃん」としてがんばった。一人で何でもやるようにした。

でも、本当は大切にされたい。
助けてほしい。
そんな寂しさと不満を抱えながら生きてきた。
そして、何度も惨めな思いをした。

そんな思いをカウンセラーの先生に、全部伝えた。

「何十年も、大変でしたね。」

「はい。ガラスのハートで大変です」

小学生、中学、高校、大学、会社
私は、今までの人生の数々の失敗を話し、いつもこの寂しさを抱えていたんだと気が付いて、話した。

カウンセラーは、少し考えてから、こういった。

「あなたの問題がわかりました。答えから、言ってもいいですか?」

「はい」
早く治りたかったので、何でも受け入れるつもりだ。

「あなたは、弟さんが産まれた日から今日まで、『被害者』として、生きています」

ひ、、被害者…?

「しかしあなたの場合は、ちょっと『やっかいな』被害者です。」

どういうこと?

「普通の被害者は、他人を責めてまわりの人に愚痴ったりして外に吐き出しますが、あなたはタイプがちがう。『自分も悪い、自分もかわいげがない』と自分で自分を責めてしまう被害者です。」

ゴクリ。

「だから、『もっと大切にあつかってよ!』と主張したいのですが、自分にも非があるかもしれないと思い、外に吐き出せず、全部自分でダメージを抱え込んでしまう。だから、ガラスのハートになってしまうんです」

そうか~…。
ピンとくるな。ビンゴだ、これは。
正直、自分が被害者ぶっているだなんて、夢にも思わなかった。

ショック。。

「……じゃあ、どうすればいいんですか!?」

カウンセラーの先生は、黒板に書いた。

「被害者でいることには、目的があります。わかりますか?」

被害者の目的?

「いや、正直、全然わからないです。好きで被害者をやっているわけではないですし」

「被害者は、『私は傷ついた』という立場をとって、相手に大切にしてもらう権利を要求する行為です。つまり、大切にされることが目的。もっといえば、他人から何かをもらって満たされようとする意図がある」

たしかにそうだ。今は「どーして誰も俺のことを大切に扱ってくれないんだよぉ!」と叫びたい気分だし。

「被害者でいるためには、『〜のせい!』という加害者が必要です。あなたは、自分のその立場を守るために、人生のところどころに加害者を作ってしまっている」

へ?それは何?引き寄せの法則的な話?

「被害者でいつづけると、幸せにはなれません。なぜなら、被害者ではなくなってしまうから。残念なことに、この世で被害者が幸せに暮らせる場所は、ないんです。まずは被害者をやめましょう。」

ちょ、ちょ、ちょっと待った。そのやり方教えてよ!お金払ってるんだしさっ!

「えええ!どうすればいいんですか!?わからないです!明日からまた会社なんです!教えて下さいよ!助けてくれないんで…」

あ!やばい、このセリフ… 被害者の立場を取っている…。

「自分で気が付きましたか」

「はい」

「被害者をやめるには、まず、やりたくないことをやめて、やりたいことをやってください。やりたくないことをやって、やりたいことをやらないのは、他人から何かを満たしてもらおうとするやり方です。被害者であることをやめるには、自分で自分を満たすことが必要です。だから、今までと逆。やりたくないことをやめて、やりたいことをやってください。」

「それは、日常のあらゆるレベルで、ですね」

「はい。しばらくは、古いパターンや癖もでてきますが、基本は『選択』の問題です」

でも、どうして自分は被害者のパターンを身につけたのだろう?

考えた。ずーっと考えた。
やっぱり幼少期?親子関係?

そうだ、わかった、私は両親を被害者だと、思っていたんだ。

僕たち兄弟を子供を
育てなければいけないという
被害者。

お母さんは僕のせいで
ヒステリックになっている。
それなのに褒めてもらえない。

お父さんは僕のために
嫌な仕事を我慢してやっている。
それなのに評価してもらえない。

だから、いつもあんなに
イライラしていて
夫婦喧嘩ばかりなんだ。

そう思っていた。

今は妻のお腹に
赤ちゃんがいるので、
とても自分も怖い!

お金を稼がなきゃダメじゃん
時間とられちゃうじゃん
子供のことでケンカしちゃうじゃん

誰か!助けてよぉ
大切にしてくれよぉ

被害者意識が
ムクムク湧いてくる。

なんで俺が頑張らなくちゃ
なんで俺が我慢しなくちゃ
いけないの!?

こんな風に親子代々のパターンを受け継いでいるわけね。

よく考えたら
お母さんも、お父さんも、
被害者じゃなかった。
幸せにくらしてたよ。

二人の子供に恵まれて、幸せだったと言っていた。
思い違いも甚だしいよ、俺。
誤解だっつうの。

全然、俺、被害者じゃないじゃん。

もう幸せでいいや。
気がついたけど、ダメージを受けることがあっても、自分は被害者じゃない。
嫌なことがあったけれど、かわいそうな自分じゃない。

あーあ、被害者の立場で、努力し続けるの、マジで疲れた。
もういいや、自分を大切にしてしまおう。
もういいや、自分を最優先にしてしまおう。
もういいや、自分を大切にしてしまおう。

本当は、もう幸せだと認めてしまおう。

▼コメント・感想をお待ちしています! ▼関連記事をもっと読む

Comments are closed.

  この記事をツイートする  作者をフォロー
  この記事をシェアする  作者をフォロー
  はてなブックマークする  Feedly 追加する
  tumblrでシェアする  Feedly 追加する
  この記事を共有する  作者をフォロー